「慶州崔富者宅」に見る朝鮮時代の両班の暮らし
慶州(キョンジュ)の校村韓屋村(교촌한옥마을)を歩いていると、立派な門構えを持つ伝統家屋が目に入ります。
それが、韓国で「慶州崔富者宅(경주 최부자댁)」として知られる慶州校洞崔氏古宅(경주 교동 최씨 고택)です。
この家は、慶州崔氏の宗家として長く受け継がれてきた邸宅で、朝鮮時代の両班(ヤンバン)住宅の特徴を今に伝える貴重な建築物です。
現在は国家民俗文化遺産に指定されており、慶州の歴史を感じられる観光スポットのひとつになっています。
「慶州崔富者宅」と呼ばれる理由
この古宅は、長い間、慶州崔氏の一族が暮らしてきた家です。
慶州崔氏は、代々、科挙に合格した人物を輩出し、財を築いた家として知られています。
特に「9代にわたって進士を輩出し、12代にわたって万石の財産を維持した」という話は、慶州崔氏を紹介する際によく知られている歴史です。
そのため、この家は一般的な古い韓屋というだけではなく、韓国では「慶州崔富者宅」という名前で広く知られるようになりました。
約400年続いた慶州崔氏の宗家
慶州崔氏の家は、約400年にわたってこの地域で受け継がれてきたとされています。




現在の古宅は1700年頃に建てられたと伝えられていますが、正確な建築年代は確認されていません。
かつては多くの建物がありましたが、現在は主に、
- 大門
- 舎廊棟(サランチェ)
- 内棟(アンチェ)
- 倉庫
- 家廟
などを見ることができます。


朝鮮時代の両班住宅らしく、男性が生活する空間と女性が生活する空間が分けられていることも特徴です。
大門を入ると見える韓屋の美しさ
古宅の入口に立つと、まず目に入るのが伝統的な솟을대문(ソスルテムン)です。

屋根を高くした格式ある門ですが、慶州崔氏の名声を考えると、意外に控えめな印象を受けます。
韓国の伝統家屋では、建物の配置や門、庭、塀などにも住む人の身分や生活様式が反映されています。
古宅の中を歩くと、木造の柱、瓦屋根、土壁、庭などが調和した、朝鮮時代の韓屋の雰囲気を感じることができます。
「分かち合い」を大切にした家訓
慶州崔氏が現在まで知られている理由のひとつが、代々伝えられた六訓(육훈)と呼ばれる家訓です。
その中には、
「科挙を受けても進士以上にはならない」
「四方100里以内で飢えて死ぬ人がいないようにする」
といった教えがあったとされています。
また、財産を過度に蓄えることを戒め、地域社会との共存や分かち合いを重視したことでも知られています。
そのため、慶州崔氏は韓国で「ノブレス・オブリージュ」の象徴として紹介されることがあります。
倉庫に見る「分かち合い」の考え方
古宅の中でも特に注目したいのが倉庫(곳간채)です。

かつて米などを保管していた場所で、財産を蓄えるだけではなく、困っている人々を助けるためにも使われたと伝えられています。
「四方100里以内に飢えた人がいないようにする」という家訓とともに紹介されることが多く、慶州崔氏の家が単なる「裕福な家」ではなく、地域社会との関係を重視していたことを知る手がかりになります。
新羅時代の「瑤石宮」があったと伝わる場所
この古宅が建つ場所にも歴史があります。
慶州の公式観光情報によると、この場所には新羅時代に瑤石宮(요석궁)があったと伝えられています。
現在の古宅だけを見るのではなく、古代新羅から朝鮮時代まで、長い歴史が重なっている場所として見ると、より興味深く感じられます。
校村韓屋村と一緒に観光
慶州校洞崔氏古宅は、校村韓屋村(교촌한옥마을)の中にあります。
周辺には、
- 慶州郷校(경주향교)
- 月精橋(월정교)
- 月城(월성)
- 鶏林(계림)
- 瞻星台(첨성대)
など、慶州を代表する歴史スポットが集まっています。
特におすすめなのが、校村韓屋村 → 慶州崔氏古宅 → 慶州郷校 → 月精橋という散策ルートです。
昼間に韓屋と歴史遺跡を見学したあと、夕方からライトアップされた月精橋を訪れると、慶州の歴史と夜景を一緒に楽しめます。
慶州の「お金持ちの家」ではなく、歴史を感じる古宅
慶州崔氏古宅の魅力は、豪華な建物を見ることだけではありません。
ここには、朝鮮時代の両班住宅の建築様式だけでなく、長い年月にわたって受け継がれてきた家族の歴史や、地域社会との関わりを知ることができる文化的背景があります。
慶州を訪れた際には、仏国寺や石窟庵などの新羅遺跡だけでなく、朝鮮時代の歴史を感じられる校村韓屋村にも足を運んでみてください。
その中心にある慶州崔氏古宅は、「韓屋を見る場所」から一歩進んで、韓国の歴史と伝統的な暮らしを感じることができる場所です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
| 名称 | 慶州校洞崔氏古宅(慶州崔富者宅) |
| 韓国語 | 경주 교동 최씨 고택 / 경주 최부자댁 |
| 所在地 | 慶尚北道 慶州市 校村安道19-21 |
| 指定 | 国家民俗文化遺産 |
| 指定日 | 1971年5月27日 |
| 建築時期 | 朝鮮時代・1700年頃と伝承 |
| 観覧時間 | 09:30~17:00 |
| 休館日 | 毎月最終月曜日 |
| 入場料 | 無料 |
| 駐車場 | 校村韓屋村公営駐車場 |
※慶州市の2026年観光情報では、観覧時間は09:30~17:00、毎月最終月曜日休館、無料と案内されています。所有者側の事情などにより観覧が制限される場合があるため、訪問前に最新情報を確認することをおすすめします。

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