メニュー

慶州・芬皇寺(ぶんこうじ)|新羅時代の国宝・模塼石塔が残る古刹

芬皇寺

韓国・慶州を代表する古刹のひとつが、**芬皇寺(분황사/ブンファンサ)**です。

世界遺産「慶州歴史遺跡地区」に含まれる黄龍寺跡のすぐ近くに位置し、隣接する黄龍寺跡とともに新羅時代の仏教文化を感じられる歴史スポットです。

芬皇寺は、新羅第27代・善徳女王(선덕여왕)の3年、634年に創建されたと伝えられています。当時は黄龍寺と並ぶ重要な寺院として栄え、慈蔵(자장)や元暁(원효)といった新羅を代表する高僧とも深い関わりを持っていました。

現在の境内は、かつての大規模な伽藍の姿こそ残っていませんが、国宝に指定された芬皇寺模塼石塔をはじめ、歴史を伝える石造物を見ることができます。

新羅最古の石塔「芬皇寺模塼石塔」

芬皇寺を訪れたら、まず見ておきたいのが境内の中央に立つ**芬皇寺模塼石塔(분황사 모전석탑)**です。

1962年に国宝に指定されたこの塔は、現存する新羅の石塔の中でも特に古いものとして知られています。634年、芬皇寺の創建とほぼ同じ時期に造られたと考えられています。

「模塼石塔」とは、石をレンガのような形に加工して積み上げ、レンガ造りの塔である**塼塔(せんとう)**の姿を模した石塔です。

もともとは9層だったとする記録がありますが、現在残っているのは3層です。

特に注目したいのが1層目。

四面には小さな扉のような入口が設けられ、その両側には仏法を守護する仁王像が力強く彫刻されています。また、基壇の四隅には石造りの獅子像が置かれています。

一般的な韓国の三層石塔とは異なる独特の姿をしているため、慶州の古代遺跡を巡る際にはぜひ実物を見ておきたい塔です。

善徳女王ゆかりの寺院

芬皇寺は、善徳女王の時代に創建された寺院としても知られています。

善徳女王は新羅で初めての女性王として知られ、慶州には女王の時代に造られた文化遺産が数多く残っています。

芬皇寺の模塼石塔も634年に建てられたと考えられており、善徳女王が治めた7世紀の新羅文化を現在に伝える重要な遺産です。

また、芬皇寺には善徳女王にまつわる「知幾三事(지기삼사)」の説話のひとつとして、唐から贈られた牡丹の花に関する話も伝えられています。

こうした伝説を知ってから境内を歩くと、単なる古寺ではなく、新羅王朝の歴史と物語を感じられる場所として楽しむことができます。

元暁大師ゆかりの寺

芬皇寺は、新羅を代表する高僧**元暁大師(원효대사)**とも深い関係があります。

元暁は新羅時代を代表する僧侶のひとりで、仏教思想を広めた人物として知られています。芬皇寺に滞在し、仏教に関する著作を残したと伝えられており、境内には元暁の功績を記念した**華諍国師碑跡(화쟁국사비적)**も残っています。

また、芬皇寺には慈蔵大師の足跡も残されています。善徳女王の時代に活躍した二人の高僧にゆかりがあることからも、この寺が新羅仏教史において重要な位置を占めていたことが分かります。

三匹の護国龍が伝わる「三龍変魚井」

境内には、もうひとつ興味深い見どころがあります。

それが**三龍変魚井(삼룡변어정)**と呼ばれる古い井戸です。

「三匹の龍が魚に姿を変えた井戸」という意味で、新羅を守護する三匹の龍がこの井戸に住んでいたという伝説が残されています。

ある時、唐から来た使者が龍を魚に変えて連れ去ったところ、そのことを知った新羅の王が魚を取り戻したと伝えられています。

この伝説から、この井戸は「三龍変魚井」と呼ばれるようになったといわれています。現在も境内に残されており、千年以上の歴史を持つ井戸として見ることができます。

朝鮮時代の建物「普光殿」

現在の芬皇寺では、朝鮮時代に建てられた**普光殿(보광전)**も見ることができます。

かつての芬皇寺は非常に大規模な寺院でしたが、モンゴルの侵入や壬辰倭乱(文禄・慶長の役)などを経て、多くの建物が失われました。

そのため現在の境内は、新羅時代の大寺院としての姿とは大きく異なります。

それでも、模塼石塔や石造物、普光殿などを通して、古代から近世まで続いてきた芬皇寺の長い歴史を感じることができます。

黄龍寺跡と一緒に訪れたいスポット

芬皇寺は、黄龍寺跡のすぐ隣にあります。

黄龍寺は新羅を代表する巨大寺院で、かつて高さ約80mを超える九層木塔が建っていたことで知られています。

現在は広大な寺院跡が残されており、芬皇寺と合わせて訪れることで、善徳女王の時代を中心とした新羅の仏教文化をより深く知ることができます。

さらに周辺には、皇龍寺歴史文化館や瞻星台、月城などの歴史スポットもあるため、慶州中心部の歴史観光コースに組み込みやすい場所です。

慶州観光で静かに歴史を感じられる古刹

華やかな世界遺産が多い慶州の中で、芬皇寺は比較的落ち着いた雰囲気の中で古代新羅の歴史を感じられる場所です。

特に、独特な姿をした国宝・芬皇寺模塼石塔は必見です。

善徳女王、慈蔵、元暁、そして三匹の護国龍の伝説。

こうした歴史や物語を知ったうえで境内を歩くと、石塔や井戸、古い建物のひとつひとつがより興味深く感じられます。

黄龍寺跡とセットで訪れるのがおすすめの慶州歴史スポットです。

基本情報

項目内容
名称芬皇寺(분황사/ブンファンサ)
住所慶尚北道 慶州市 芬皇路94-11
主な見どころ芬皇寺模塼石塔、普光殿、三龍変魚井、華諍国師碑跡など
観覧時間08:00~18:00(冬季は17:00まで)
入場料無料
駐車場あり(無料)
電話054-742-9922

※観覧時間・料金などは変更される場合があります。訪問前にご確認ください。

ご案内
※本記事の内容は、現地の状況や掲載時期によって変更されている場合がございます。あらかじめご了承ください。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

目次